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【関東・甲信越ブロック】
日頃の家事・育児の工夫と周囲からいただいているサポートについて(2020年12月18日掲載) 音声読み上げ


 

千葉大学大学院園芸学研究科 講師 八島 未和

1) 自己紹介
私は千葉大学園芸学部土壌学研究室に2007年から勤務しています。「園芸」と「ランドスケープ」を中心とした専門家が数多く在籍する松戸キャンパスは、東京やつくばに近く専門教育の場として最高の立地であり、緑いっぱい丘の上の佇まいが家族的な心地よさを生み出す一方、多くの留学生が学ぶ国際的フロンティアにもなっています。私の研究者としての目標は、土壌中の炭素や窒素の循環メカニズムを解明し、土壌保全や将来の農業生産向上に貢献することです。現在、増加する大気中二酸化炭素の濃度が土壌に与える影響や、放射線汚染からの除染が土壌の肥沃度低下やその回復に与える影響について調査しています。土壌研の教員のほかに留学生担当教員という肩書もあり、留学生の新入ガイダンス、就学と生活相談、国際交流イベントなども担当しています。そして、私生活では小さな子供3人を育てる母親です。仕事と家庭の『両立』を実現できているか自信がなく葛藤の毎日を過ごしていますが、同じような道を歩こうとしている方にとって少しでも参考になることがあればと思い、日頃の工夫とどのような助けを借りて生活しているかをご紹介させていただきます。

2) 子育てによる仕事可能時間の減少
2012年の出産前までは夜や土日も研究室にこもって仕事をし、海外出張も多く、充実していました。しかし、出産後から仕事に費やせる時間数が激減しました(2012・2015・2018年に出産)。とくに1人目出産直後は子育てや家事のノウハウもなく、認可保育園にも入れず、その日その時にやらなければならない仕事を精一杯こなす、というやや追い込まれる日々を送っていました。

3) 物理的な工夫と家族・保育園のサポート
このままではダメだ!なんとか家事を効率化して仕事できる時間を増やそう、と決意し、家事効率化の研究を始めました。2013年住んでいた中古の戸建てをリフォームし、過ごしやすく家事のしやすい家へとバージョンアップし、家事お助け家電(食洗器・洗濯物のガス乾燥機・ロボット掃除機)を導入しました。家電の機種、生活用品や服の収納、生活の動線など、これが本業の研究?とばかりに調べ考えぬきました。リフォーム後、誰でもわかりやすく家事ができる環境になったように思います。実際、会社勤めサラリーマンの夫も支障なく家事に参加してくれています。実家から母が週1回来て、洗濯物の片づけをしてくれます。私は料理がとても苦手なので、家政婦派遣サービスで2週間に1度おかずの作り置きをしてもらい、必要な時に解凍しています。第1子が1歳になったときに自宅近くの認可園に転園でき、そこからは保育園の先生方の絶大な助けを借りています。家事や子育てのノウハウは確実に蓄積されるので、一人目より二人目、二人目より三人目と、出産・育児はどんどん楽になっていきました。現在でも困ることは子供の病気です。3人中2人が喘息持ちで大発作が起こると入院で、この時ばかりは母の付き添いが必須になります。なるべく発作にならないよう喘息カレンダーなるものを作成し、日々ステロイド吸入のルーティーンをこなせるように管理しています。また、小学生になると習い事が始まるので、送り迎えはママ友パパ友と共有するようにしています。

4) 職場におけるサポート
ありがたいことに、直属上司の教授は子供たちの突然の病気に伴う欠勤時や私の体調不良時には必ずフォローしてくださいます。また、同じ分野の少し先輩女性教員が実際に子育てをされているお話を伺っていたので、3人出産・育児を実現する際に大変大きな励ましになりました。また、千葉大学にはダイバーシティ推進部門が設置されており、研究支援要員配置制度というものがあります。妊娠・子育て・介護中の研究時間を確保しづらい学内の研究者に対し研究支援の働き手を雇うというものです。私は2名の女性支援員に週1回ずつサポートに来てもらっています。たまったサンプルや文献の整理、データの打ち込みなどをお願いしています。

5) おわりに
研究においては、他研究機関の研究者の先輩・仲間・後輩たちにさまざまにサポートしていただいています。現在のところ子育ては順調に進み、小規模でも科研費が採択されるなど、良いこともありました。一方、妊娠・出産・育児を3回繰り返してきたこの8年間、自分の力不足を実感したり、周囲へ迷惑をかけていると感じることも多々ありました。チームで進める研究などにおいて、なかなか成果を出せていないことが心苦しいです。海外出張などもほぼ実現できていません。『両立』の一番のカギは、言い訳せず、やはり業績を出すことなのだと考えています。子供も少しずつ大きくなり、自分の体調も整ってきた今、40代のここからが本当の正念場なのだろうと考えています。


参考:千葉大学運営基盤機構ダイバーシティ推進機構HP
https://www.gakuzyutsu.chiba-u.jp/