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東北大学
男女共同参画・女性研究者支援事業等の環境整備及び様々な人事制度の活用による女性研究者増のための取組 音声読み上げ


掲載日:2022/03/23
更新日:2023/12/20

東北大学は、大正2年(1913年)、当時の国立大学として初めて女性に門戸を開き、3名の女子学生の理学部への入学を認めました。その伝統のもと、平成13年(2001年)に全国に先駆けて、全学的組織として男女共同参画委員会を発足させ、翌年の平成14年(2002年)に「男女共同参画推進のための東北大学宣言」を策定し、男女格差の是正、研究・労働環境の改善、学内保育園の設置・運営を含めた両立支援体制の充実などに努めてきました。

平成18年度(2006年度)からは、男女共同参画の推進施策の充実及び、女性研究者支援のため「女性研究者育成支援推進室」を設置し、平成25年(2013年)には、日本初の女子学生が本学に入学してから100年を迎えたことを記念して「男女共同参画推進のための行動指針」を策定し、今後10年の本学における男女共同参画推進のための指針として、1)両立支援・環境整備、2)女性リーダー育成、3)次世代育成、4)顕彰制度、5)地域連携、6)国際化対応、7)支援推進体制を掲げました。更に、平成26年(2014年)4月に、これまでの女性研究者育成支援推進室を発展的に改組した「男女共同参画推進センター(TUMUG)」を設置し、本学全体の男女共同参画活動を推進しています。(令和5年(2023年)7月にダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン推進センターに名称変更)

平成28年度(2016年度)に、文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」の一つとして採択された「杜の都女性研究者エンパワーメント推進事業」では、研究環境のダイバーシティを高め、優れた研究成果の創出につなげるために、女性研究者のライフイベントとワーク・ライフ・バランスに配慮した研究環境の整備や、女性研究者の研究力向上のための取組、及び上位職への積極採用に向けた取組を進め、令和3年度(2021年度)までに女性教員比率を19%に引き上げることを目指しました。平成30年(2018年)4月には大隅典子教授が、本学では女性初となる副学長(広報・共同参画担当)に就任し、本事業を推進してきました。事業の推進にあたっては、大隅副学長が学内の全部局を巡り、部局の現状と問題解決のために部局長と面談を行いました。

「杜の都女性研究者エンパワーメント推進事業」の目標を実現すべく、平成29年度(2017年度)から令和元年度(2019年度)まで「女性教員採用促進事業」を実施しました。この事業は、(1-1)部局と全学の連携による女性教員採用促進策「部局公募型」、(1-2)「国際公募型」、(2)ポストアップによる女性研究者の上位職移行策、(3)各部局の特性を生かした努力に対する促進策の4種類で構成され、優秀な女性研究者を採用・登用し、長期に渡り安定かつ自立して研究を実施できる環境を整えることを目的としたものです。また令和元年度(2019年度)から、企業等の優秀な研究者が企業等に在籍したまま本学と雇用契約を結び、大学の教育・研究に従事するクロスアポイントメント制度の活用を促進する「クロスアポイントメント活用促進支援制度」や、優秀な若手女性研究者・外国人研究者の雇用を促進する「若手女性・若手外国人特別教員制度」を構築しています。令和3年度(2021年度)からは本学の研究力等の強化及び更なる女性研究者の雇用推進を目指す方策として、総長を議長とする人事戦略会議のもと、「助教以上の採用者の3人に1人は女性とする」ことを基本とする「1/3目標」を設定し、女性研究者の採用促進を図っています。

「女性教員採用促進事業」及び「クロスアポイントメント活用促進支援制度」並びに「若手女性・若手外国人特別教員制度」による女性教員の採用数は以下のとおりです。

〇女性教員採用促進事業
 (1-1) 部局公募型  :准教授4名、講師1名、助教5名(計10名)
 (1-2) 国際公募型  :助教4名
 (2)ポストアップによる女性上位職移行策  :教授3名、准教授5名(計8名)
 (3)各部局の特性を生かした努力に関する促進策 :助教13名(内クロスアポイントメント6名)
〇クロスアポイントメント活用促進支援制度
  教授8名、准教授21名、講師2名、助教11名、助手3名(計45名採用)
〇若手女性・若手外国人特別教員制度
  准教授2名、助教39名(計41名採用)

この他にも、本学では、本学構成員が年齢性別等を問わず、仕事や学業と生活との両立を図ることができるように、意識の醸成に努め、子育て支援のための学内施設の充実や介護支援等を含めた制度等の環境整備にも努めています。
子育て支援のための学内施設としては、教職員が安心して、出産・子育てできる環境を整えるため、川内、青葉山、星陵の3つのキャンパスに保育園を設置しているほか、軽症病児・病後児保育室を運営しています。

〇学内保育園等
 ・川内けやき保育園(平成17年(2005年)開設、定員22名)
 ・青葉山みどり保育園(平成30年(2018年)開設、定員116名)
 ・星の子保育園(平成22年(2010年)開設、定員120名)
 ・星の子ルーム(平成13年(2001年)開設、軽症病児・病後児保育室)

制度的な支援としては、「男女共同参画・女性研究者支援事業」として、「研究支援要員」「ベビーシッター利用料等補助」「スタートアップ研究費」「ネクストステップ研究費」などのプログラムを行っています。

〇男女共同参画・女性研究者支援事業
1.研究支援要員
 出産・育児・介護等を行う教員・技術職員、また、国の審議会委員等の要職に就く女性教員・技術職員に対し、
 研究支援要員雇用のために必要な人件費の補助を行う。
 平成28年度(2016年度)~令和4年度(2022年度)採択実績  115件

2.ベビーシッター利用料等補助
 育児を行う教職員、ポスドク、博士学生等に対し、研究・教育に係る業務と育児の両立に必要なベビーシッター
 利用料等の補助を行う。
 平成28年度(2016年度)~令和4年度(2022年度)採択実績  214件

3.スタートアップ研究費
 新規採用の女性教員に対し、初年度に研究費の支援を行う。
 平成28年度(2016年度)~令和4年度(2022年度)採択実績  110件

4.ネクストステップ研究費
 女性教員に対し、他に外部資金を得ていない新規の研究課題の遂行や情報収集・研究成果の公開に必要な研究費の
 支援を行う。
 平成28年度(2016年度)~令和4年度(2022年度)採択実績  246件

また、女性リーダーの育成にも力を入れています。本学において優れた研究を展開する女性研究者を顕彰する「東北大学優秀女性研究者賞 紫千代萩賞」を平成29年度(2017年度)に発足させ、人文・社会科学分野、理学・工学分野、農学・生命科学分野、医歯薬学・保健分野から毎年各1名を表彰しています。この第1回(平成29年度)の受賞者である梅津理恵准教授(現教授)が、第39回(令和元年)猿橋賞を受賞しています。
これらの取組ならびに離職を防ぐための女性研究者のネットワーキング活動の結果、平成29年度(2017年度)からの5年間で、助手を含む女性教員が5.7%、助教以上の女性教員が6.1%増加しており、それまでの5年間(平成24年度(2012年度)-平成29年度(2017年度)の伸び率:3.1%, 2.4%)と比べても非常に大きな伸びを示すことができています。

【以上の取組の成功に向けた留意点】 ★は該当する項目
戦略性:機関の経営戦略として位置づけている
トップのコミットメント:機関のトップが牽引している
取組体制の整備:実施責任者を置き、明確な実施組織等を整備している
成果目標:具体的で明確な目標等を設定している
  双方向のコミュニケーション:幹部層と構成員のコミュニケーションを促進している
説明責任と透明性:外部評価委員会等を設置し、外部の意見を取り入れる体制としている

問合せ先
東北大学DEI推進センター


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