2019年9月17日 2019年度 第2回近畿ブロックセミナー 音声読み上げ
2019年9月17日(火)に立命館大学朱雀キャンパスにおいて、全国ダイバーシティネットワーク組織2019年度第2回近畿ブロックセミナーを開催しました。
本セミナーは、本年度のブロック活動方針策定に向け参画機関を対象に実施されたアンケート結果において、各機関のグッドプラクティスを共有する意見交換会の開催を希望する声が多かったことにより実現したもので、第一回目のセミナーは「女性研究者の積極採用施策と研究環境整備」をテーマに6月20日に実施いたしました。
第二回となる今回は、「女性研究者育成とスキルアップ支援」をテーマに、立命館大学キャリアアドバイザー・産総研名誉リサーチャーの相馬芳枝先生、大阪府立大学女性研究者支援センター特認准教授・巽真理子先生、立命館大学研究部事務部長の野口義文氏の3名より話題提供がありました。
「女性研究者支援~女性もノーベル賞をめざそう~」と題し、相馬先生より文部科学省をはじめとする日本における女性研究者支援のこれまでの取り組み経過について紹介があり、また、日仏女性研究者のへだたりとして50-60年もの差がある等、諸外国と比較した遅れや違いについても言及されました。今後は、多様な人材が集まるダイバーシティが更に求められ、女性研究者への期待も増加する、また男女共同参画には男性の方の後押しが必須となると話を締めくくられました。
大阪府立大学・巽先生からは、「大阪府立大学における研究者スキルアップ支援について」と題し、2010年から取り組まれてきたワーク・ライフ・バランス支援に始まり、ダイバーシティ研究環境基盤整備、スキルアップ支援プログラム(セミナー)の実施、女性研究者研究実践力強化プログラム「RESPECT」(研究費)の制度立ち上げ等、独自に整備されてきたスキルアップ・キャリアアップ支援とその問題点についてお話しくださいました。更に女性研究者育成の一貫として2011年より実施された理系女子大学院生チームIRIS(アイリス)の経緯やしかけ、キャリア支援と成果についても紹介され、具体的な運営方法などについて活発に質問が寄せられました。
立命館大学・野口氏からは「立命館大学における女性研究者育成の一つの起点について」と題し、文部科学省・ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ事業の申請に向けた、学内でのコンセンサスを経て採択に至るまでの経緯やご苦労等が紹介されました。また、妊娠・育児・介護による研究支援員制度、自然科学系若手女性教員優先枠を設けている研究専念教員制度等の具体的施策、研究部職員の意識の多様性を更に高めることを目指し開催されたLGBTQやSDGs研修についても紹介があり、女性研究者支援のような重要な施策実行には、学内全体を巻き込み対話・納得をしながら進めることが大切、というメッセージも述べられました。
最後に、全国ダイバーシティネットワーク組織Webページ「OPENeD」サイト改修についての意見交換が行われ、参画機関のウェブサイトへのリンク追加やイベント情報の分かりやすい表示への改善など意見が出され、閉会いたしました。
今後も研究環境を取り巻く様々な課題をテーマに、継続して開催していきます。