帝京大学
多様なキャリア形成支援およびライフイベントと仕事の両立のできる職場環境の実現 音声読み上げなし
掲載日:2023/12/04
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帝京大学は2013年8月に「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」の先行事業である「女性研究者研究活動支援事業(一般型)」(2013~2015年度)に採択されました。同年4月に医療系板橋キャンパスに「女性医師・研究者支援センター」を開設し、事業推進の中核を担う「男女共同参画推進委員会」とともに女性研究者支援と男女共同参画を推進してきました。
トップダウン・ボトムアップの学内循環による事業推進
開設時の理念「女性の潜在能力を最大限に引き出し、社会的役割と両立させながら質の高い研究活動が生涯にわたって行えるよう、女性医師ならびに、男女を問わず研究者の人材育成を全学部にて行っていく」ことを実現するために、「男女共同参画推進委員会」の中に「意識改革」・「環境整備」・「教育・研究力向上」・「女性比率向上」の4つのワーキンググループ(以下、WG)を設置し、隔月で行う会議でWGに分かれて検討を行います。検討結果は年度末にまとめ、本学の男女共同参画方針を決定・方向づける「男女共同参画推進会議」(通称:ステアリングコミッティ、「男女共同参画推進委員会」上部組織)を経て、センター長から学長に報告します。報告し承認を受けた内容は、翌年度教授会を通して各学部・キャンパス教員まで順次伝えられる仕組みになっています。また、報告内容は3年ごとに「男女共同参画に関する提言」にとりまとめられ、学長より全学に発信されます。2017年に第1次学長提言、2020年に第2次学長提言、2023年に第3次学長提言が発信されました。
【厚生労働省 令和5年度子育て世代の医療職支援事業】
帝京大学は2023年7月に当該事業の実施機関として採択されました。本事業は、子育て世代の医療職支援に取り組む機関に対して支援策構築やシンポジウムなど普及・啓発のための経費を支援し、子育て中の医療者が就業継続・復職が可能な環境整備を行い、全国へ支援を普及させることを目的としています。本学ではこれまでの支援対象は常勤教職員に限られていたため、教職員未満である学生や若手医療者への支援が課題となっていました。運営委員会を立ち上げ、学生や若手医療者を対象に育児・介護・就労就学状況やニーズ調査、個別インタビュー調査に取り組み、効果的な就労・就学、キャリア形成の支援策を検討しています。医学部教員に対するFDを行って組織全体の意識改革に努め、医療系学部学生および臨床研修医にはキャリア教育を実施しています。また、調査の分析結果と支援の実績は他施設のgood practiceとともに第56回日本医学教育学会大会で発信します。
【メンター制度】
男女共同参画推進委員会および女性医師・研究者支援センターでは、2013年度より実施しているメンター制度について改修を進め、新制度を板橋キャンパスの教員を対象に試行します。学内ネットワークを広げることによる多面的な関係形成により、メンティーにとっては専門領域を超えた横の繋がりによる多様なキャリア形成、そしてキャリアに対する不安の軽減や解決に繋がることを目標としています。また、メンターにとっても人材育成力やマネジメント力の向上に繋がり、両者の成長に寄与することが期待されます。月1回程度のメンタリングを実施し、研修会や勉強会を実施しながら随時メンタリングをサポートします。
【以上の取組の成功に向けた留意点】 ★は該当する項目
A 戦略性:機関の経営戦略として位置づけている
★B トップのコミットメント:機関のトップが牽引している
★C 取組体制の整備:実施責任者を置き、明確な実施組織等を整備している
D 成果目標:具体的で明確な目標等を設定している
★E 双方向のコミュニケーション:幹部層と構成員のコミュニケーションを促進している
F 説明責任と透明性:外部評価委員会等を設置し、外部の意見を取り入れる体制としている