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大阪府立大学
地域とのつながりで育てる!理系女子大学院生チームIRIS(アイリス) 音声読み上げ


掲載日:2019/10/16

IRISの活動目的と女性研究者支援事業における位置づけ

IRISの活動の様子

大阪府立大学理系女子大学院生チームIRIS(アイリス)(以下、「IRIS」)は、女性が研究者として活躍するキャリアパスの構築を支援することを目的として、これから進路を選択する小中高校生に対して、理系への興味を高める取り組みを実施しています。

この活動は、大阪府立大学の女性研究者支援事業では「研究者育成」事業と位置づけています。IRISは本人たちからの応募を経て学長から任命され、大阪府立大学の代表として活動することを通して、IRIS自身が成長していきます。

地域と一緒に開催する、小中学生を対象にした
「IRISサイエンス・キャンパス」

IRISサイエンス・キャンパス(手作りスライム大実験!!)

「IRISサイエンス・キャンパス」は、IRISが講師となって、地域の小中学生に科学の楽しさ・面白さを伝える、出張型科学実験教室です。IRISが講師を務めることにより、理系で活躍している女子大学院生の存在を地域の子どもたちとその保護者に知ってもらい、身近なロールモデルになることを目的としています。

IRISは、イベントの企画立案から、開催当日のイベント運営までを担います。自分たちが研究している専門的な知識を、参加する小中学生に、どうやって分かりやすく伝えるのかを、3~4人のチームで、3~4か月をかけて試行錯誤しながら作り上げていきます。

この活動は、大阪府内の市町村の男女共同参画センターや小学校、子ども会などから依頼を受け、各地域で開催しています。1期生~9期生(2011年~2019年)の実施件数は81件で、大学本部がある堺市に限らず、大阪府内の広い地域で実施しています。特に市町村の男女共同参画推進センターは、IRISサイエンス・キャンパスの開催によって女子の理系への進路選択を促進することはもちろん、小中学生とその保護者の参加によって男女共同参画関連イベントへの参加者の若返りを図ることができ、喜ばれています。

女子高校生に理系への進路を促す理系進路相談

めざせ!理系女子コーナー 先輩と話そう

オープンキャンパスなどでは、「めざせ!理系女子コーナー 先輩と話そう」を開催しています。ここでは、IRISと理系への進路を考えている女子高校生・受験生との少人数でのグループトークを実施し、女子高校生・受験生からの大学生活の様子や授業や研究などについての質問に答えています。女子高校生・受験生は、IRIS(現役大学院生)の生の声を聞くことで日頃の疑問が解けて、安心するようです。

また2019年7月には、日経ウーマノミクスフォーラムシンポジウム「Be Ambitious! 夢に向かって決意の瞬間」において「高校生座談会 Youは何しに大学へ?」の企画と当日のファシリテーションを、IRISが実施しました。17校の高校生、約300人を対象に全体討論とグループディスカッションを行い、「何を基準に大学への進路を決めればいいか」「何を大学でやりたいか」などについて議論しました。IRISは、開始直前まで、「どうしたら高校生が意見を言いやすくなるか」「どのような流れで進めていくか」をメンバー間で確認し、高校生の議論が活発になるよう工夫を凝らしていました。

IRISが活躍するためのしかけ

これらのIRISサイエンス・キャンパスや女子高校生への理系進路相談は、基本的には企画から運営までをIRISが行っていますが、全てを彼女たちが担うわけではありません。女性研究者支援センターが、主催者側(行政機関や企業など)のニーズや条件(会場や予算など)と、IRISが考案した企画のポイントをくみ取り、Win-Winになるように調整しています。

またイベント経験のない人でもIRISとして活動できるよう、年度初めには「企画実施講習会」を行います。この講習会では、IRIS経験者からの体験談を聞き、企画実施のための基礎知識を学んだ後、イベントの立案から実施までの流れを体験できるグループワークを実施しています。

さらに、IRISの指導教員が、彼女たちの活動への理解を深めてくれるような工夫もしています。たとえば、IRISに任命することを事前に、女性研究者支援センターから各指導教員へ、メールで報告した上で、任命式や年度末に開催する活動報告会に招待しています。

IRISが活動する上で、女性研究者支援センターが最も気をつけているのは、彼女たちが大学院生として研究活動を優先することです。地域におけるIRISの認知度が上がるにしたがい、IRISサイエンス・キャンパスなどの依頼は年々、増えています。しかし、彼女たちが無理のない範囲で活動できるように、全ての依頼を受けるのではなく、たとえばサイエンス・キャンパスは年10回程度に調整しています。

これらのしかけを女性研究者支援センターが行い、IRISが活動しやすい舞台を整えた上で、IRISの自主性・主体性を重んじた活動になるよう工夫しているのです。

【以上の取組の成功に向けた留意点】 ★は該当する項目
  戦略性:機関の経営戦略として位置づけている
トップのコミットメント:機関のトップが牽引している
取組体制の整備:実施責任者を置き、明確な実施組織等を整備している
  成果目標:具体的で明確な目標等を設定している
双方向のコミュニケーション:幹部層と構成員のコミュニケーションを促進している
  説明責任と透明性:外部評価委員会等を設置し、外部の意見を取り入れる体制としている

問合せ先
大阪府立大学 女性研究者支援センター


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