奈良女子大学
女性リーダー育成拠点の挑戦—奈良女みかさプログラム:みがく・かがやく・さきほこる— 音声読み上げ
掲載日:2025/5/27
取組概要
奈良女子大学では、将来的に男女比がfifty-fifty な大学の職場環境を実現することを目指しています。これまでに、ダイバーシティ研究環境の整備として「女性研究者支援モデル育成」事業(2006年度〜2008年度 A評価)、若手女性の採用・昇任促進と研究力向上を推進するための「女性研究者養成システム改革加速」事業(2010年度〜2014年度 A評価)、また、「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」事業(2019年度〜2024年度 A評価(中間評価))を通じて、女性研究者のための研究環境整備、女性教員の採用・昇任、女性研究者のキャリアパス形成支援を行ってきました。これら三事業をさらに発展させ、「大学院生→若手・中堅研究者→上位職・管理職」のライフコースに沿った、「総合的な女性研究者のキャリア形成支援プログラム(奈良女みかさプログラム)」を実施しています。①「女性研究者裾野拡大 加速プロジェクト」、②「女性研究者研究力向上 加速プロジェクト」、③「女性上位職・管理職登用 加速プロジェクト」を実施し、次世代女性リーダーの裾野拡大に取り組み、自立した優秀な女性研究者の育成とその輩出を促進し、女性研究者育成拠点としての役割を果たしていきます。
なお、毎年度の外部評価結果を踏まえ、活動内容や実施体制の検証を行い、事業を実施していきます。
①女性研究者裾野拡大 加速プロジェクト “みがく”ための支援
・「みかさカフェ」(女性研究者コミュニティ)の形成:女性のアカデミックなコミュニティを学内に設け、女性特有の問題を共有しつつ前向きなキャリアを構築していきます。
・後期課程修了後のキャリア支援:博士を得た者をポスドクとして雇用します。所属研究室を変えて、幅広い研究力を習得していきます。
・女性ヤングPI:特任助教等にポストを得た若手女性研究者のうち、特に優秀な者を「女性ヤングPI」として特任助教職(任期3 年間)に就かせ、PI として独立して研究を行います。ポスドク等も雇用して、研究室の主宰者としての力を身につけていきます。
②女性研究者研究力向上 加速プロジェクト “かがやく”ための支援
・大型共同研究支援:女性教員(自然科学系分野)が研究統括者として実施する共同研究に対して、大型の研究費を支援します。女性教員は共同研究者と連携して、研究内容から財務面まで全てを統括します。
・女性研究者在外・国内研究支援:女性研究者(全分野)の在外・国内研究の旅費、および女性研究者が不在となる期間に教育研究を代替する非常勤講師等を配置し、女性研究者が世界の第一線で活躍するための支援をします。
・スタートアップ支援:新規の女性教員着任後、研究環境整備のためのスタートアップ経費を配分します。自立した研究室運営と外部資金獲得を促進します。
・トップレベル女性研究者の研究支援:研究費とポスドクの雇用を支援します。自立した研究運営と大型外部資金獲得を促進します。
③女性上位職・管理職登用 加速プロジェクト “さきほこる”ための支援
・女性管理職支援:管理職になったことで教育・研究の歩みが停滞しないよう、授業等を代替する非常勤講師や教育研究支援員を配置します。
・上位職研究支援:上位職(教授・准教授)女性教員(全分野)にポスドクまたはRA を配置し、研究を補佐します。いずれも女性を採用します。ポスドクやRA になる若手の女性にとって、将来のロールモデルを身近に見ることにもつながります。
・女性教員前倒昇任:シニア教員の退職を待つことなく、女性教員の昇任を前倒しで行います。意欲と能力のある女性教員の昇任を加速します。
【以上の取組の成功に向けた留意点】 ★は該当する項目
★A 戦略性:機関の経営戦略として位置づけている
★B トップのコミットメント:機関のトップが牽引している
★C 取組体制の整備:実施責任者を置き、明確な実施組織等を整備している
★D 成果目標:具体的で明確な目標等を設定している
E 双方向のコミュニケーション:幹部層と構成員のコミュニケーションを促進している
★F 説明責任と透明性:外部評価委員会等を設置し、外部の意見を取り入れる体制としている