東京女子医科大学
東京女子医科大学
ポジティブ・アクション|採用と上位職昇進 音声読み上げ
掲載日:2024/01/19
更新前の記事はこちら
取組内容
「上位職への積極登用」の取組として、①プラスファクター方式導入、②女性准教授・講師の新規採用および昇進昇格の促進を行っている。
また、身近な女性上位職をロールモデルとした若手や学生教育の場(ピアラーニング)や個別アドバイス、研究支援員制度を行い、研究力向上を目指した将来の人的基盤強化を行っている。
取組の背景・目的
①「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」では、教員公募に対する女性研究者の応募意欲を高めることと確実な女性登用を実現することを目的として、本学が女性を積極的に登用する方針であることを明確に示すために、教授の採用・昇進におけるプラスファクター方式を2016年11月より導入、継続的に実施している。
②「同(先端型)」では准教授・講師の採用・昇進にもプラスファクターを実施する体制を整備。採用、昇進昇格の際に提出する「現在の役職における教職業績の自己点検(医学部)」、「教員採用 採点表(看護学部)」の付帯項目である「教育研究・開発・社会貢献」に、「a. 国際的な活躍、b. 後進女性研究者指導、c. 男女共同参画事業(ダイバーシティ事業)への参加・貢献」の3項目を追加することで、これらの業績をプラスファクターとして評価。このような規程改定を今後も進めていくことで、女性教授候補者に相応しい人材資源のさらなる拡大を推進している。
女性比率の上昇
「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」事業期間より女性教授比率30%という意欲的な目標を掲げ、本学の建学の精神のもと長年にわたり挑戦的な取組を行ってきたことで、2020年7月には目標の30%を超え、31.1%を達成した。
加えて「同(先端型)」では女性教授の土台となる女性准教授・講師に着目し、女性教授比率30%の維持と併せ、女性准教授比率35%ならびに女性講師比率40%の目標に向け活動を展開。2023年12月の女性教授比率は29.0%、女性准教授比率30.8%、女性講師比率34.3%で、いずれも概ね増加傾向にあり、(先端型)事業期間終了を迎える2026年度までに目標は達成できる見込みである。
波及効果等
2017年、女性医師(専門医)による診療科(女性センター)が誕生し、女性医師による診療を希望する社会のニーズに対応できるようになった。
女性医師が女性センターと専属の診療科とを兼務する場合、メインの診療科における教授・准教授の設置上限数に関わらず、女性医師を教授・准教授へ任命可能となった。これにより、優秀な女性医師を上位職へ引き上げるハードルが一つ低くなった。また本学医学部は整形外科や救命医学など外科系診療科における女性医師在籍率が全国平均よりも高く、子育て等のライフイベントを抱える女性医師の勤務継続を支える様々な支援体制(院内保育、ファミリーサポート、女性医師再研修制度など)、および上位職がこれらの支援利用を積極的に支える風土醸成の効果が反映されている。
その他
上位管理職が『介護』を経験する年齢になりつつあることから、「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(先端型)」では、実践的介護支援体制の構築の一環として、本学在籍者で介護の援助を受けたい“依頼会員”と、介護の援助をしたい“提供会員”からなる会員制の介護見守り支援サービス「ちょこっと介護見守り支援」を学内に新設。事業開始時に設定した「介護支援制度利用者比率0.6%の達成」の目標は順調に推移し、2022年度時点では0.505%まで到達しており、超高齢社会にあっても離職せず、医療従事者が生涯活躍できるよう環境整備を進めている。