【東海・北陸ブロック】子育て・教員8年目の私(2025年1月14日掲載) 音声読み上げ
公立小松大学 保健医療学部 看護学科 准教授 上田 映美
私は、結婚10年目の夫、小学2年生の息子、4歳の娘と4人暮らしをしています。教職員としては8年目です。今回、上司からコラム執筆の推薦をいただいた際には、「ワークもライフもどちらも半人前だし、バランスなんて全くとれていないけれどいいのだろうか」と不安に思いました。しかし、私のように日々悪戦苦闘しながら生活している方やそのご家族、同僚の皆様が共感し、自分だけではないと思って読んでもらえるならと思い、書くことにしました。
仕事と家庭を両立する際には、1人ではできません。家族や職場の方などたくさんの人の協力がなくてはやっていけません。夫とは、子どもの成長や仕事の忙しい時期に合わせて、お互いが働きやすいように家事の分担を話し合うようにしています。今は、夫が始業時刻を1時間程遅くしており、朝のうちに洗濯と夕飯の準備、洗い物をしてくれています。その代わり、夕方は私が早めに帰宅して、こども園や習い事への送迎、お風呂に入れたり、寝かしつけをしたりなどを担当します。基本は夫と私の二人で協力していますが、子どもが熱を出したり、休日に仕事が重なったりしたときには、両親に来てもらい助けてもらっています。職場の方は、夕方の業務を調整してくださったり子どもが熱を出して早退する際にも、快く仕事を引き受けてくださったりしています。時々、子どもたちのこども園や学童のお迎えが間に合わず、時間を超えてしまうことがありますが、その際には先生が支援してくださいます。こうして文章にしてみると、改めて私は周りの環境に恵まれていることに気が付きます。感謝しても感謝し尽せません。自分一人ではできないことを自覚して、周りの皆さんから支援をお願いすることが何より必要だと思います。
仕事と家庭を両立する際に、私が大事にしていることはもう一つあります。それは、仕事を大切にすることです。私は看護師であり、現在は大学の看護学科で教員をしています。看護という学問が好きで、教育や研究を通して、患者さんのためになる仕事ができていることを誇りに思っています。教育では、基礎看護学領域で「看護とは何か」を教えています。講義や演習を通して、看護に興味を持ってもらえるよう取り組んでいます。研究では、高齢者の足のむくみに対するケア方法を開発しています。子どもが生まれてからは、仕事に100%力をそそぐことができないのが現状ですが、自分にとって仕事は生きがいです。仕事を大切にする気持ちは家族にも伝えるようにしています。夫や子どもたちが応援してくれることが、何より仕事のモチベーション維持に繋がっています。
とはいえ、仕事と家庭の両立は思った以上に大変です。夕方帰宅してからは、ゆっくり座る時間がないうちに就寝時間になります。「怒らない育児が自己肯定感を育てる」とよくいわれますが、疲れていると感情的に「宿題しなさい」「早くお風呂入りなさい」などと怒ってしまいますし、ゆっくり子どもの話を聞けておらず、反省の毎日です。気づいたら子どもは成長していて、もっと関わる時間がとりたいです。今は、いかに仕事をしながら家族との時間を充実させるかが課題です。
これからは、女性が社会に進出して活躍することが当たり前の時代になります。ワークライフバランスは、今以上に重要な課題となります。私は、看護師時代に、多くの先輩方が子育てにも仕事にも全力で取り組んでいる姿をみており、先輩方のような女性になりたいと憧れて、現在まで仕事を続けています。今度は、私が大学生に憧れられるような生き方をしているところをみせたいと思います。